貧困学の確立:分断を超えて

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研究班

X00班:総括班

融合領域としての子どもの貧困研究

①領域全体のプロジェクト・マネジメント(全体計画、研究会の開催、予算管理、報告書策定、連絡等)
②自治体との協議(自治体へのファーストコンタクト、説明、協議、協定の交渉、締結、データの受け取り、自治体への報告、政策提言のとりまとめ)
③データベース構築に関する方針策定(データベース構築班とデータ・マネジメント方針の協議・策定)
④公募研究のマネジメント(公募・事前審査・選定委員会の開催・決定通知など)
⑤独自調査「子どもの生活実態調査」の設計(実査はデータベース構築班が担当)
⑥海外の協働チームとの連携・繋ぎ・調整
⑦シンポジウム・研修・広報活動の実施

総括班メンバー

◎:研究代表者、その他:研究分担者

◎阿部 彩 東京都立大学
松本 伊智朗 北海道大学
大石 亜希子 千葉大学
可知 悠子 北里大学
山本 直子 東洋英和女学院大学
末冨 芳 日本大学

 

A01班:データベース構築班

子どもの貧困調査データベース構築研究

データベース構築班の役割は、データベースの構築である。具体的には、自治体調査データのハーモニゼーション・データ統合・マニュアル整備等を行い、各班にデータを提供する。いわば、本班はPJの心臓部分にあたる。また、本班ではクロスセクション・データを補完するために、初年度の大規模量的調査に加え、その一部に対象を限定した質的パネル調査を行う。質的パネルは同一の対象者に繰り返しインタビュー調査を行うもので本PJの実施期間中継続して実施することにより、外的要因とアウトプットの因果関係を立証することができる。本班の活動は膨大な作業量が必要となるため、本班においては、ポスドク1名と院生(臨時雇用)を3~6名雇用し、彼らのリーダーとして川口が従事し、阿部が統括する。本班は、総括班と定期的に協議し、データ・クリーニングの詳細設定や、データ統合の方針、スケジュール協議を行う。また、長年、厚生労働省の労働政策研究・研修機構にて子育て世帯の大規模パネル調査の統括・管理をしていた周燕飛氏(現日本女子大学教授)をデータベース構築のアドバイザーとして迎え、テクニカル面のサポートを受ける。

A01班 メンバー

〇:代表者

A01班:データベース構築班 研究代表者
〇阿部 彩
東京都立大学 社会政策 教授

総括・データベース構築・社会政策の効果分析

A01班:データベース構築班 研究分担者
川口 遼
東京都立大学 ジェンダー 客員研究員

データベース構築

A01班:データベース構築班 研究分担者
梶原 豪人
福山平成大学 社会福祉 講師

不登校と貧困との関連の分析

A01班:データベース構築班 研究分担者
小林 盾
成蹊大学 社会 教授

子どもの貧困の社会学的検討

A01班:データベース構築班 研究分担者
大瀧 玲子
東京都立大学 臨床心理 助教

ひとり親世帯の貧困とスティグマの研究

A01班:データベース構築班 研究分担者
堀川 千嘉
新潟県立大学 栄養 講師

栄養格差の分析

A01班:データベース構築班 研究分担者
三浦 芳恵
東京都立大学 教育 特任研究員

貧困の子どもの教育と職業選択

 

B01班:地域分析班

子どもの貧困と地域特性の関連の研究

地域分析班は、データベースに各地区(小学校地区が望ましいが、住居地情報の詳細度が自治体によって異なるため中学校地区、行政地区の場合もある)の付加情報(子ども関連施設の数、コンビニや食料品店等の店舗数、地区内格差指標など)を加えた上で、これら自治体特性と子どもが受ける貧困からの影響の強さに関連があるかを分析する。また、地域分析班の各メンバーはそれぞれの大学所在地における自治体調査に係わっているため(北海道、札幌市、大阪府、大阪市、沖縄県、愛知県)、これら自治体に向けて各自治体の子どもの貧困の特徴とそこからの政策提言を自治体向けに取りまとめる。

B01班 メンバー

〇:代表者

B01班:地域分析班 研究代表者
〇松本 伊智朗
北海道大学 教育 教授

総括・北海道調査の分析

B01班:地域分析班 研究分担者
所 道彦
大阪公立大学 社会政策 教授

大阪調査の分析

B01班:地域分析班 研究分担者
山野 良一
沖縄大学 社会福祉 教授

沖縄調査の分析

B01班:地域分析班 研究分担者
我那覇 ゆりか
沖縄大学 栄養 講師

沖縄調査の分析

B01班:地域分析班 研究分担者
後藤 澄江
日本福祉大学 社会福祉 教授

愛知調査の分析

B01班:地域分析班 研究分担者
中村 強士
日本福祉大学 社会 准教授

愛知調査の分析

 

B02班:ジェンダー班

ジェンダー視点を取り入れた子どもの貧困研究

ジェンダー班は、貧困とジェンダーに係わる課題に取り組む。一つ目の観点は、貧困の子どもへの影響の男女差の検証である。これまでのセンターの高校生の分析においては、女児の方が男児よりも進学期待が低く、家計を支える役割を親から期待されていること(川口, 2020)、また、女児の方が男児よりもアルバイト就労しており、このような状況は貧困世帯のみに検証されることがわかっている。子どもの貧困分析においては、様々なアウトプット(学力、体力、自己肯定感、栄養、健康状況、精神状況等)と貧困の関係が明らかになっているが、その関係は子どもの性別によって異なる。本班では、そのメカニズムを明らかにする。その他、研究蓄積が極めて少ない父子世帯の分析、ジェンダー・マイノリティの分析、また、子育て世帯の不安を調査票の自由記述欄からテキスト分析を行う。本班においては、労働経済学の観点から高校生男子と女子のアルバイト就労などの見地が深い大石亜希子(千葉大学)を班代長とし、大阪府調査にてひとり親世帯の分析を行った嵯峨嘉子(大阪府立大学)、愛知県分析を行った末盛慶(日本福祉大学)、家族社会学が専門である安藤藍(千葉大学)、ジェンダー学を専門とする川口遼(東京都立大学)、ジェンダー・マイノリティ研究で日本の第一人者である釜野さおり(国立社会保障・人口問題研究所)が従事する。また、本班においては、4年目に国際シンポジウムを企画している。

B02班 メンバー

〇:代表者、※:研究協力者

B02班:ジェンダー班 研究代表者
〇大石 亜希子
千葉大学 経済 教授

貧困の影響の男女差

B02班:ジェンダー班 研究分担者
嵯峨 嘉子
大阪公立大学 社会福祉 准教授

ひとり親世帯の分析

B02班:ジェンダー班 研究分担者
末盛 慶
日本福祉大学 家族社会 准教授

ひとり親世帯の分析

B02班:ジェンダー班 研究分担者
安藤 藍
千葉大学 家族社会 准教授

子育て世帯の不安の分析

B02班:ジェンダー班 研究分担者
川口 遼
東京都立大学 ジェンダー 客員研究員

貧困の影響の男女差

B02班:ジェンダー班 研究分担者
※釜野 さおり
国立社会保障・人口問題研究所 人口学 室長

ジェンダー・マイノリティの分析

 

B03班:実装フィージビリティ検討班

貧困研究の実装フィージビリティの理論的・実証的研究

実装フィージビリティ検討班では、各研究計画班から得られた知見をエビデンスとして政策に反映させるために必要な、政治プロセス、世論の形成、財源調達、行政、NPO等のアクターの動員とそれらの調整など、EBPM(Evidence based policy making)の各要素について、具体的な政策提言とその実装を目指した検討を行う。班代表は、内閣府の「貧困状態の子供の支援のための教育・福祉等データベースの構築に向けた調査研究」の委員でもある末冨芳(日本大学)と山野則子(大阪府立大学)、また、政治やNPOとの関わり合いに詳しく厚生労働省「生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理のための検討会」の座長等を歴任している宮本太郎(中央大学)、世論の形成過程に詳しい堀江孝司(東京都立大学)、本PJのモデル事業であるJST RISTEXにて「政策のための科学」事業の取りまとめに関わってきた黒河昭雄(神奈川県立保健福祉大学)を研究組織とする。

B03班 メンバー

〇:代表者

03班:実装フィージビリティ検討班 研究代表者
〇末冨 芳
日本大学 教育財政 教授

総括・政策の財源調達

03班:実装フィージビリティ検討班 研究分担者
宮本 太郎
中央大学 政治 教授

政治理論・NPO組織論からの政策決定プロセス

03班:実装フィージビリティ検討班 研究分担者
山野 則子
大阪公立大学 社会福祉 教授

福祉と教育のデータベース構築についての研究

03班:実装フィージビリティ検討班 研究分担者
堀江 孝司
東京都立大学 福祉国家論 教授

世論と政策の決定プロセスの分析

03班:実装フィージビリティ検討班 研究分担者
黒河 昭雄
神奈川県立保健福祉大学 政策形成過程・政策科学 研究員

政策形成過程および政策のための科学の研究

 

B04班:外国ルーツ班

外国ルーツと貧困の交互作用が子どもに及ぼす影響の分析

外国ルーツ班では、外国ルーツを持つ子ども(両親ともに外国籍、片親が外国籍)の貧困と生活実態を分析する。本班では、外国ルーツの子どもを対象として肥満の分析などを行っている周燕飛(日本女子大学)を研究分担者、および静岡県および磐田市の調査を実施した千年よしみ(国立社会保障・人口問題研究所室長)を研究協力者として班に迎え、本PJのデータベースを用いて外国人ルーツを持つ子どもを一般児童との比較を踏まえて分析する。現時点においてセンターが二次利用できるデータのうち、親の国籍が変数に含まれているのは、東京都、長野県、松戸市および世田谷区であり、概ね2~3%の子どもが「外国ルーツを持つ子ども」にあたる。本分析では、日本人の両親を持つ子どもと、外国ルーツを持つ子どもの比較が可能であるだけでなく、片親が日本人であり国籍も日本、生まれてからずっと日本に育っている子どもも分析に含める。
本班においては、2年目に国際シンポジウムを企画している。

B04班 メンバー

〇:代表者、※:研究協力者

B04班:外国ルーツ班 研究代表者
〇山本 直子
東洋英和女学院大学 社会(移民) 講師

総括・外国ルーツを持つ子どもの貧困の分析

B04班:外国ルーツ班 研究分担者
周燕飛
日本女子大学 経済 教授

外国ルーツを持つ子どもの健康の分析

B04班:外国ルーツ班 研究分担者
※千年 よしみ
国立社会保障・人口問題研究所 人口 室長

外国ルーツを持つ子どもの生活実態の分析

 

B05班:健康班

子どもの健康格差の解明

健康班では、特に健康に問題を抱えた子ども、また、健康に問題を抱えた保護者を持つ子どもと貧困の関係の分析を行う。主なターゲットは、肥満や疾患を抱えた子ども、また、うつ等健康状況が悪い親を持つ子どもである。本班には、公衆衛生学にて児童虐待分野の研究で国際的にも高い評価を得ている藤原武男(コンソーシアムのメンバーでもある)や発達心理学者の酒井厚(東京都立大学)らを迎え、親世代の貧困の問題にも切り込んだ分析を行う。

B05班 メンバー

〇:代表者

B05班:健康班 研究代表者
〇可知 悠子
北里大学 公衆衛生 講師

肥満・健康状況と子どものWell-beingの分析

B05班:健康班 研究分担者
藤原 武男
東京医科歯科大学 公衆衛生 教授

肥満・健康状況と子どものWell-beingの分析

B05班:健康班 研究分担者
酒井 厚
東京都立大学 発達心理学 教授

子どもの仲間意識と友人関係の分析

B05班:健康班 研究分担者
加藤 承彦
国立成育医療センター 幼児教育 室長

うつの親を持つ子どもの分析

B05班:健康班 研究分担者
山岡 祐衣
東京医科歯科大学 小児科学 主任研究官

子どもの発達と家族関係