公募研究
公募する研究項目
【研究項目E01 地域の特性と貧困が子どもに及ぼす影響の関連についての研究】
子どもの貧困とアウトカムの関連はどの地域にても見られる現象であるが、その関連性の強さは地域の特性(制度・政策、経済・地理条件・気象・人口動態(高齢化、過疎化、三世代世帯率、ひとり親世帯率等)・社会資本等)によって異なる。そこで、地域特性がどのように貧困と子どものアウトカムに影響するのかを解明する量的研究・質的研究を募集する。
【研究項目E02 貧困と子どものアウトカムを結ぶ媒介メカニズムの解明】
子どもの貧困は子どもの様々なアウトカム(学力、体力、健康、心理的Well-being、友人関係など)に影響を及ぼす。そこで、これら貧困とアウトカムを結ぶ媒介メカニズムを解明する研究を募集する。
【研究項目E03 出現率が低い属性の子どもの貧困に関する研究】
父子世帯、ジェンダー・マイノリティ、外国ルーツの子ども、日本語を母語としない子ども、健康に問題がある子ども、障がいを抱える子ども、ヤングケアラー等は、出現率が低いため一般の子どもを対象とした調査では分析に耐えうるサンプル数が確保できない。しかし、本研究領域が構築するデータはサンプル数が多いため分析が可能となる。そこで、本DBを用いた、これらマイノリティの子どもの貧困に関する研究とそれを補完する質的研究を募集する。
【研究項目E04 貧困の子どもへの影響を緩和する社会システムの実装に関する研究】
貧困の子どもへの影響を緩和する具体的な社会システム(制度、政策、仕組み、ビジネスモデル、テクノロジーなど)の実装とその課題に関する研究を募集する。社会システムには、実際の貧困者への支援制度のみならず、政治や世論を動かす手法(アドボカシー)や行政的ハードルを越える手法なども含む(例:食格差を解消するフードシステムの開発研究、学力格差を縮小する教育手法の開発、IT等を用いた情報弱者への確実な情報伝達手法の開発、子どもの権利と教育・福祉法政の新たな展開の研究など)。
2023年度採択者
研究項目 | 研究課題 | 研究者氏名 | 所属 |
E01 | 不安定雇用・雇用不安と次世代の健康・成育環境との関連と、その緩衝要因に関する研究 | 永吉 真子 | 名古屋大学・医学系研究科・助教 |
E01 | 居住地域の社会環境要因に基づいた乳幼児~青年期の死因別死亡率格差のメカニズム解明 | 片岡 葵 | 大阪医科薬科大学・医学部・ポストドクター |
E01 | 集団の経済的格差が子どものウェルビーイングに与える影響とそのメカニズムの解明 | 越智 真奈美 | 国立保健医療科学院・その他部局等・主任研究官 |
E02 | 貧困と子どもの問題行動を媒介・調整する要因の解明:発生論と継続論の視点から | 加藤 弘通 | 北海道大学・教育学研究院・准教授 |
E02 | 世帯内資源配分が子どもの貧困に与える影響――ファイナンシャル・ダイアリー調査から | 丸山 里美 | 京都大学・文学研究科・准教授 |
E02 | 子どもの身体活動および体力における社会経済格差の推移 | 喜屋武 享 | 神戸大学・人間発達環境学研究科・助教 |
E02 | 家庭の経済状況が思春期世代の子どもの一般的信頼に与える影響 | 高岸 治人 | 玉川大学・脳科学研究所・教授 |
E02 | 子どもの食料不安に関する対策樹立のためのメカニズム解明と栄養摂取量等の疫学研究 | 片桐 諒子 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所・国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部・室長 |
E03 | 外国人の子育てと住まい:エスニシティ・ジェンダー・貧困に着目する実証研究 | 孫 詩イク | 北海道大学・教育学研究院・特任助教 |
E04 | 貧困下にある子どもに有効な支援を提供する心理支援者育成プログラムの開発 | 井出 智博 | 北海道大学・教育学研究院・准教授 |
E04 | 生活困難層の子どもの高卒後の進路保障のための教育と社会システム改善についての研究 | 小澤 浩明 | 東洋大学・社会学部・教授 |
E04 | 若者の健康を貧困から守るユースクリニックの実装研究 | 日吉 和子 | 太成学院大学・看護学部・教授 |
E04 | 貧困による子どもへの影響を緩和する夜間保育施設の役割と可能性に関する研究 | 大澤 亜里 | 札幌大谷大学短期大学部・その他部局等・准教授 |